2006年12月11日 (月)

労務管理の必要性

企業は利益を追求していかなければなりませんが、この目的を達成するためには、商品開発や販売活動、仕入活動、生産活動、流通活動、経費削減活動などさまざまな活動を展開していかなければなりません。これらの活動の基となるものが「ヒト」です。経営者は、経営理念を実現するため、従業員「ヒト」をどのように管理すれば、自分の理想とする行動をとり、実行するようになるかについて考える必要が出てきます。これが労務管理の必要性です。つまり労務管理は「企業で働く従業員を満足させ、やる気を起こさせ、経営者の思いや経営理念を実現するため、採用から退職までのヒトに関するすべての事項を計画し実行し統制するマネジメント」です。なお、今日のような激しい経営環境の変化に対応した適切な労務管理を進めることが他社との差別化にとって一層求められています。

今回で「労務管理基礎講座」は終了させて頂きます。次回からはQ&A労基法をリリースしますのでよろしくお願いいたします。

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2006年12月 7日 (木)

ホワイトカラー・エグゼンプション

ホワイトカラー・エグゼンプションとは、「自律的労働時間制度」と呼ばれるもので、日本経団連が「労働契約法制に対する使用者側の基本的な考え方」に盛り込まれたもので、現行の管理監督者のほかに、管理監督者のもとで一定の要件を充たす労働者を労働基準法で定める1日8時間、週40時間の労働時間規制を適用しないという制度です。平成16627日の「労働契約法制及び労働時間法制のあり方についての素案」では、産業構造が変化し就業形態・就業意識の多様化が進む中、高付加価値の仕事を通じたより一層の自己実現や能力発揮を望み、自律的な働き方をすることがふさわしい仕事に就く者について、一層の能力発揮をできるようにするための観点から導入を検討されているとのことです。

確かにホワイトカーの高度化された職務を時間尺度だけで評価して管理することは、自由度を抑制し能力を充分に発揮されない面は認めなくてはならないと思います。しかしながら、大企業は別として中小企業のホワイトカラーでは、成果主義に基づく競争至上主義やリストラによる労働密度の強化などにより恒常的な残業をしている現況において、このホワイトカラー・エグゼンプション制度が導入されると長時間労働の招き過労死や過労自殺、職場における精神障害の増加に繋がることになります。労働運動総合研究所の試算によるとホワイトカラー・エグゼンプションを年収400万円以上のホワイトカラー労働者に適用すると、総額116000億円、ホワイトカラー労働者1人当たり年114万円もの残業代が消えるとされています。さらに、働き過ぎて過労死をしても会社に使用者責任を問うこともできなくなるとされています。

 私見ですが、使用者側が考えている自律した働き方については、裁量労働制などで既に実施しているもので、なぜ、いまホワイトカラーそれも年収400万円に拡大し時間外の適用免除を狙うのか分からないところがあります。また、大企業では自由度が拡大し自己実現できる仕事に就くことができますが、中小企業ではホワイトカラーでも職務分析すらできていない企業が多く、単に時間管理をしない対象者を増やし、残業代等の不払いを合法化するものであると思います。

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2006年12月 5日 (火)

懲戒解雇

懲戒解雇とは、従業員の故意や重大な過失によって損害を被った場合など、従業員に問題があるという理由で解雇すること。懲戒処分の一種で最も重いものとされています。紹介解雇をするためにも要件があります。労基法では「懲戒解雇をするのであれば、就業規則にその理由を載せなければならない」と規定しています。それでは懲戒解雇が有効にするためには、まず前提条件として①就業規則に懲戒理由が載っていること。②懲戒理由に当たる事実があること。が必要です。この事実関係に基づいて次の5つの判断基準に照らして有効であるか否かの判断されますのでご注意願います。

①規定の内容が世間と比べて重すぎないか?

 「無断欠勤3日で懲戒解雇する」と就業規則に記載されていても、世間的に言っても重すぎるのでは

②平等な取扱いであるか否か?

 他の従業員が同じ違反で処分された事例と内容が同じか

③解雇するほどのことであるか否か?

 今回の行為が会社を辞めさせるほどのことである必要がある。

④就業規則に定められた手続きを経ているか否か?

 解雇予告はもちろん、就業規則に「懲戒委員会で協議する」などと記載されている場合は、その手続きを経ている必要がある。

⑤同じ理由で2度懲戒処分していないか?

 過去にすでに減給されたのに、もう一度懲戒解雇することはできない。

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2006年12月 4日 (月)

整理解雇の4要件

事業縮小などの経営上の理由によって解雇することを整理解雇といいます。この整理解雇を有効とするためには、原則として以下の4つの要件をすべて満たす必要があります。

1.経営上の必要性

 倒産寸前に追い込まれているなど、整理解雇をしなければならないほどの経営 

上の必要性が客観的に認められること。

2.解雇回避の努力

  配置転換、出向、希望退職の募集、賃金の引下げその他整理解雇を回避するために、会社が最大限の努力を尽くしたこと。

3.人選の合理性

  勤続年数や年齢など解雇の対象者を選定する基準が合理的で、かつ、基準に沿った運用が行われていること。

4.労使間での協議

  整理解雇の必要性やその時期、方法、規模、人選の基準などについて、労働者側と十分に協議をし、納得を得るための努力を尽くしていること。

それでは、具体的に整理解雇(リストラ)をするためには、下記のような手順が必要になります。

①労働時間の短縮、新規採用の停止、昇給停止、業績賞与への変更などコスト削減の努力を行う。

②労働条件の変更、役員報酬のカット、役職者の給与カットなど上層部の賃金カットから賃金ダウンを行う。誠意を持って説明し同意を得ることが大切。

③ ①、②施策でも苦しい時は、希望退職の募集を行う。退職金の上乗せになど労働者に有利な条件とする。誠意をもって説明する

④希望退職の募集でも間に合わない場合、整理解雇対象者を選定し、整理解雇の時期、方法、規模、人選の基準など誠意をもって説明し納得を得て解雇します。なお、再就職斡旋など退職後の配慮も必要となります。

以上、そう簡単には整理解雇はできないと考えてください。会社には最後まで従業員の雇用を守る責任があるのです。

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2006年12月 2日 (土)

解雇の禁止

解雇の禁止を規定している法律には、労働基準法及び男女雇用機会均等法などがあります。整理すると下記の通りです。参考にしてください。

1.業務上負傷、疾病し休業している期間中及び復職後30日間、産前産後休業中及び復職後30日の間の解雇(労基法19条)

2.監督機関への申告を理由とする解雇(労基法1042項、安衛法972項)

3.国籍、性別、信条、社会的身分を理由とする解雇(労基法3条)

4.不当労働行為となる解雇(労組法7条)

5.女性であることを理由とする解雇(男女雇用機会均等法8条1項)

6.結婚、妊娠、出産、産前産後休業等の取得・請求、妊娠・出産に起因する機能低下・労働不能を理由とする解雇(改正均等法83項)

7.育児・介護休業の申出、取得を理由とする解雇(育児・介護休業法10条、16 

 条)

8.個別労働紛争解決促進法に基づく労働局長に対する助言・指導の援助を求めたこと、紛争調整委員会にあっせんを申請したことを理由とする解雇(個別紛争解決促進法43項、52項)

9.労使協定の過半数代表者の代表になること、なろうとしたこと、正当な活動をしたことを理由とかる解雇(労基法施行規則6条の23項)

10.企画業務型裁量労働制の労使委員会の労働者委員になること、なろうとしたこと、正当な活動をしたことを理由とする解雇(労基法施行規則24条の24第6項)

  企画業務型裁量労働制の対象業務に就けることについて同意しないことを理由とする解雇(労基法38条の4第1項6号)

11.労働者派遣の一般派遣業務の派遣可能期間決定の際の意見聴取等の労働者の過半数代表になること、なろうとしたこと、正当な活動をしたことを理由とする解雇(派遣法施行規則33条の4第3項)

12.公益通報を理由とする解雇(公益通報者保護法3条)

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2006年12月 1日 (金)

解雇予告

解雇とは、社員の意思とは関係なく、会社が労働関係を終了するものです。労働基準法第20条では「労働者を解雇しようとする場合は、少なくても30日以上前に予告するか、30日分以上の平均賃金を支払わなければならない」と規定しています。解雇するためには、30日前の予告が必要とし、予告が難しければ、平均賃金の30日分の解雇予告手当を払う必要があります。また30日に満たない予告をした場合は、その予告期間に不足する日数分の解雇予告手当を支払いことになります。ただし、次の従業員は解雇予告がいりません。

①日々雇い入れられる者(1か月以内)

②2か月以内の期間を定めて使用される者(契約期間以内)

③季節的業務に4か月以内の期間を定めて使用される者(契約期間以内)

④試の試用期間中の者(14日以内)

しかしながら、この期間を超えてそのまま働いている場合は解雇予告が必要となりますので注意してください。

なお、次の場合は解雇予告などが除外することができます。

①火災や地震などの天災事変その他やむを得ない事由で事業の継続が不可能となり、所轄の労働基準監督署長の認定を受けたとき。

②労働者の責に帰すべき事由(横領・傷害・2週間以上の無断欠勤等)によって解雇するときで、所轄の労働基準監督署長の認定を受けたとき。この除外認定は、解雇の意思表示をなす前に受けるのが原則です。

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2006年11月29日 (水)

解雇のルール

 中小企業では、30日前に予告さえすれば会社が一方的な都合で解雇できると考えている使用者が数多くいます。しかしながら、労働基準法第18条2項では「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であるとみとめられない場合は、権利の濫用したものとして無効となる。」と規定しています。一般に「解雇権濫用法理」と呼ばれ、昭和50年の最高裁判決以降裁判実務上で確立されていたもので、平成15年の労基法改正により法文上に明記されました。それではどうしたら問題なく正当な解雇ができるかのポイントを整理しておきましよう。

ポイント1就業規則に根拠が載っている。(会社は解雇の理由を就業規則に定めておく)

ポイント230日以上前に予告している。または解雇予告手当を支払っている。

ポイント3出産や育児休業を理由とするなど法律で禁じられた解雇ではないこと。

ポイント4解雇されるのは仕方ないと誰もが納得できるような理由がある。

裁判では、会社側が解雇権濫用ではない(会社の勝手な都合ではない)ということを証明する必要があります。

 当事務所では、すぐに「クビだ」という事業主に対しては、「一方的な解雇はやめてください。うまく話し合って自己都合が退職勧奨にする努力をしてください」とアドバイスしています。

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2006年11月28日 (火)

退職証明書・解雇理由証明書

労働基準法第22条第1項では、労働者が退職の場合に、在職中の仕事の内容などについて証明書の交付を請求したときは、使用者は遅滞なく、これを交付しなければなりません。証明内容は下記のとおりです。

①使用期間

②業務の種類

③当該事業における地位

④賃金

⑤退職の理由(退職の事由が解雇の場合にあってはその理由を含む)

なお、このうち労働者が請求した事項だけ証明すればよい。また、労働者の請求しない事項を記入してはいけません。

222項では、解雇の予告がされた日から退職の日までの間に、労働者が当該解雇の理由について証明書を請求したときは、使用者は遅滞なく、解雇理由証明書を交付しなければならないと規定しています。この証明書は、一度発行した解雇理由は、後で変更することも追加することもできません。退職時の証明書(退職証明書)及び解雇理由証明書は後に重要な証拠となりますので慎重に記載しなければなりません。当事務所では退職証明書及び解雇理由証明書の雛形をワードで作成しております。ご要望がある方はメールにて問い合わせ願います。

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2006年11月27日 (月)

経営戦略と人材育成

 経営戦略を実施に移し、会社の業績向上を図っていくためには、効率的な「組織」戦略と「人材」戦略が不可欠であるといわれています。しかしながら、中小企業では、経営戦略面では「戦略や計画が出来上がって終わり(絵に描いたモチ)」であったり、組織面では、「戦略に関わりなく何となく・思いつき的に、あるいは人事異動の延長上に組織変更があるような“人ベースでいじる“」的であったりしています。また、人材面では、単なる処遇の人事制度であったり、「最終的に数値(売上げ等)を上げていれば、あとは何も言わない!」といった結果至上主義的マネジメントが行われたりしています。「人材育成が大切だ!」「やったらやっただけの評価をしていないと・・・」と矛盾したものとなっています。

 経営戦略があって、初めて組織ができ、期待される組織行動を行う人材像ができる。その人材像に近づけることが人材育成であると思います。つまり経営戦略に基づいた人材育成であり人事評価であるべきであります。今日のように企業環境が急激な変化する中では、自分の企業が経営戦略に基づいて組織され人材マネジメントされているかを再度検討してみる必要があるのではありませんか。

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2006年11月20日 (月)

人事評価(人事考課)とは

人事評価(人事考課)とは、従業員の今後の処遇や教育の参考とするために、仕事内容や結果、職務遂行能力や仕事への意欲などを把握することを目的として行う評価制度です。

「やってもやらなくても、処遇は変わらない」のであれば、従業員のモチベーションは上がらず、能力開発やサービスの向上には取り組まない事態になります。このような事態にならないよう、会社は全従業員が理解できるような、クリアで公平な評価を随時行っていかなわれなければならない。一般的に評価の基準は「絶対的評価」と「相対的評価」をあわせて利用していくのが理想です。また、人事評価の結果は面接等を通じ、各従業員にフィードバックすることが重要です。当事務所では人事制度の再構築の支援項目で人事評価システムの見直しを行っています。人事制度の再構築をお考えの企業は是非ご一報願います。

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