2007年5月 9日 (水)

定期健康診断の受診

【質問】会社員が忙しさにかまけて、勤務先の会社で年1回実施している定期健康診断を受けなかったところ、「受診を拒否すると減給などの処分もあり得る」と会社側から言われました。定期健康診断を受けるかどうかは個人の自由ではないのでしょうか。

【回答】労働安全衛生法66条は、企業の健康診断について事業者には実施を、労働者には受診を義務付けています。

(労働安全衛生法で定められている定期健康診断の主な項目)

1.既往歴および業務歴の調査

2.身長、体重、視力、聴力の検査

3.胸部エックス線検査および肝機能検査

4.尿検査

5.貧血検査、血中脂質検査、血糖検査

※本人の承諾なしに法定検査項目以外の検査をすると、プライバシー侵害が問われることもあります。

 労働安全衛生法は労働者に対する罰則規定は設けていませんが、事業者や産業医が再三受診を促しても強硬に拒否した場合、事業者はその労働者を懲戒処分にすることも可能です。具体的には、出勤停止未満の処分が一般的で、けん責や戒告、重ければ減給になる可能性もあります。

 懲戒処分にするかどうかの裁量は事業者側にありますが、衛生や健康問題に特別配慮すべき職場以外では、健康な労働者が定期健康診断を受診しなかったという理由だけで、雇い主が処分した事例はほとんどありません。しかし、業務に支障をきたすような症状が出ているのに、会社からの受診命令を拒んだ場合は、健康回復努力義務違反とみなされる場合もあります。

 労働安全衛生法66条5項は、事業者が指定した医師の健康診断を受けることを望まない場合は、他の医師の診断を受け、結果を証明する書面を会社に提出してもよいとしています。しかし、労働者が選択した医療機関の受診結果について事業者が疑問を持つ合理的理由がある場合は例外とされています。

 定期健康診断のポイントは、1.事業者には健康診断の実施義務、労働者には受診義務があること、2.受診拒否は健康回復努力義務違反になる場合もあることだといえます。

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2007年4月 4日 (水)

赴任先住居と帰省先住居間の労災事故

【質問】単身赴任で自宅から赴任先の社宅に向かう途中負傷しても労災保険の対象になるのか

【回答】平成184月から施行された「労働安全衛生法等の一部を改正する法律」によって、単身赴任者の赴任先住居・帰省先住居間の移動も通勤災害保護制度の対象としました。なお、具体的な要件として厚生労働省令では、転任に伴い、当該転任の直前の住居から当該転任の直後の就業の場所に通勤することが困難なため住居を移動した労働者であって、同居していた配偶者または子あるいは親族が、介護・育児・その他等の事情により別居しているものとしています。

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2007年4月 2日 (月)

出産育児一時金

【質問】流産したとき出産育児一時金は受けられないのか

【回答】被保険者及び被扶養者が出産したときは、出産育児一時金として、胎児1人につき定額で30万円が支給されます。健康保険における出産とは、妊娠4ヵ月(85日)以上の出産をいい、出産に対する給付は、主として母体を保護することにありますので、正常分娩、早産、死産、流産、人工妊娠中絶であることを問いません。

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2007年3月22日 (木)

育児休業期間中の保険料

【質問】育児休業期間中の保険料はどうなるか

【回答】育児休業制度による休業をとる場合、事業主は「育児休業取得者申出書」を社会保険事務所へ提出します。これにより保険料(健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料)が、本人負担分、事業主負担分ともに免除となります。保険料が免除となる期間は、育児休業開始(申出)日の属する月から、終了予定日の翌日の属する月の前月までとなります。健康保険の保険診療は、育児休業期間中でも休職前と同様に受けられます。また、厚生年金保険料の免除期間は保険料を納めたものとして取扱われますので、年金受給で不利になることはありません。

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2007年3月21日 (水)

上限報酬月額の随時改定

【質問】標準報酬月額が上限にあるときの随時改訂はどうするのか

【回答】報酬月額が上限にあるということは健康保険であれば39等級955,000円以上、厚生年金では30等級605,000円以上の報酬額なので、それ以上ならいくら変動しても、従前の標準報酬月額(上限報酬額)に比べて2等級以上の差が生じませんので随時改定は必要ありません。

ただし、上限額の1等級手前の報酬月額(健康保険38等級、厚生年金29等級)にある者は、どんなに報酬月額に増額があっても1等級以上の差が生じないことになります。このような場合、例外として1等級の差であっても、実質的に2等級以上の変動が生じたとして、随時改定を行います。

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2007年3月20日 (火)

随時改定の該当要件

質問】固定的賃金が上がって標準報酬月額が下がったときの随時改訂は

【回答】一般に固定的賃金に多少でも変動があれば、残業手当など非固定的賃金を加えて2等級以上の(上がった)変動になる場合、随時改定に該当しますが、月給(固定的賃金)は上がっても残業手当(非固定的賃金)が減って2等級以上下がったような場合は、2等級以上の差が生じても随時改定の必要はありません。随時改定該当要件は次のとおりです。

①固定的賃金の変動、又は給与体系の変更があったとき

②変動月以後、引き続く3か月間の各月の支払基礎日数が20日以上あるとき

③固定的賃金の変動月から継続した3か月間の実際の報酬額の平均が、従前の標準報酬月額に比べ2等級以上の差が生じたとき

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2007年3月19日 (月)

法人役員の労災保険

【質問】兼務役員は労災保険の対象にできないのか

【回答】労災保険の適用を受ける法人役員の判断基準は、実態で判断する実質基準で判断されています。法人の取締役・理事・無限責任社員等の地位にある者であっても、法令・定款等の規定に基づいて業務執行権を有すると認められる者で、事実上業務執行権を有する取締役・理事・代表社員等の指揮監督を受けて労働に従事し、その対償として賃金を得ている者は、原則として「労働者」として取り扱います。つまり、名称ではなく、あくまでも実質上の業務執行権がなく労働の対価として賃金を受けている者は「労働者」となります。ゆえに上記質問の兼務役員は労災保険の対象となる「労働者」となります。

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2007年3月14日 (水)

パートタイマーの社会保険加入

【質問】パートタイマーを健保・厚生に加入させなくてもよいか

【回答】パートタイマー等が被保険者の対象になるか否かの判断は、同じ事業所で同様の業務に従事する一般社員の労働日数、労働時間等を基準に判断されます。次のいずれかに該当する場合は原則として被保険者とされ、加入しなければなりません。

①労働日数~1か月の所定労働日数が一般社員のおおむね4分の3以上である場合

②労働時間~1日又は1週の所定労働時間が一般社員のおおむね4分の3以上の場合

政府では、パートタイマーにも社会保険加入枠の拡大を目指し、判断基準をおおむね4分の3以上(週30時間)を2分の1(週20時間)に拡大する法案を考えているようです。

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2007年3月12日 (月)

社会保険の加入(試用期間)

質問】社会保険の加入は試用期間が終了したときでよいか

【回答】結論から先に言いますと、入社日から加入しなければなりません。入社から一定の試用期間が設けられている場合でも、事実上の使用関係があり、期間の定めのない雇用状態にあれば、入社の日から被保険者となります。

一般に適用事業所で働く従業員が①常態として事業主の人事管理下で労務を提供しており、②対価として報酬を得ていれば、健康保険・厚生年金保険の強制被保険者となり、使用関係が発生した日が被保険者資格の取得日となります。

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